無職なら求職者支援訓練に通おう。半年で給付金60万円もらう方法

2020年~2021年にかけて、失業者や生活困窮者が増えている。

政府は、総合支援資金や緊急小口資金などの給付金制度を設けているが、いずれもコロナウイルスの影響で収入が減少した者が対象になっているので、それ以前から無職の者は対象にならない。

そこでおすすめの制度が、求職者支援訓練である。

この制度を実際に使って月額10万円の給付金をもらうことができたので、ここでは対象者や申請方法、面接のコツや受給までの流れをまとめてみた。

 

 

求職者支援訓練は無職でも半年で給付金60万円もらえる

求職者支援訓練は、要件を満たせば無料の職業訓練の受講と、交通費+月額10万円が支給される制度で、最近内閣府のツイッターでもPRされている。

 

 

受講給付金の支給要件

  1. 本人の収入が月8万円以下
  2. 世帯全体の収入が月25万円以下
  3. 世帯全体の金融資産が300万円以下
  4. 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
  5. すべての訓練実施日に出席している(やむを得ない理由がある場合でも、支給単位ごとに8割以上出席している)
  6. 同世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない
  7. 過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない

 

上記の要件から考えると、一人暮らしの無職者もしくは収入が8万円以下のフリーターなどは月額10万円+訓練施設までの交通費が支給される可能性がある。

10万円だけで生活するのは厳しいかもしれないが、家賃1~2万円台の安いアパートに住むか、8万円以下の範囲内でアルバイトをしながら訓練を受講すれば、生活の維持も可能になる。

 

一日の訓練時間は5時間で、しかも約4週間の支給単位のうち2割までは、通院や病気などのやむを得ない理由で欠席が認められているので、6ヵ月コースの場合、訓練に通うだけで合計60万円がもらえると考えると、メリットのある訓練といえる。

 

 

求職者支援訓練の申し込みから給付金が支給されるまでの流れ

訓練の申し込みから訓練実施、給付金の支給は以下の流れで進む。

 

  1. 訓練校の選定
  2. ハローワークで受講申込
  3. 訓練校で面接を受ける
  4. 合否結果の通知が届く
  5. ハローワークで給付金の支給申請する
  6. 訓練開始
  7. 指定来所日にハローワークに来所する

 

訓練校の選定

訓練にはプログラミング、webデザイン、介護、保育、ビルメンテナンスなど色々なコースがあり、さらに日中コースと夜間コース、3ヵ月の基礎コースと5~6ヵ月の実践コースに分かれている。

ここで注意すべき点は、給付金は訓練を受講している期間しか給付されないという点。

できるだけ長い期間受給したい場合は、実践コースがおすすめ。

 

もう一つ実践コースをおすすめする理由として、プログラミングやwebデザインは修得するのに時間がかかる分野なので、3ヵ月ではスケジュールが厳しく、あまり身につかないうちに終わってしまう。

訓練で勉強したことを仕事に活かしたいのであれば、やはり訓練期間が長いコースの方が良い。

 

次に注意すべき点として、人気のあるコースは倍率も高いため、面接に落ちてしまう可能性が高くなる。

最近ではプログラミングやwebデザインのコースは人気が高いらしく、訓練校によっては倍率が5倍や8倍になることもあるという。

 

3つ目の注意点は、訓練校(講師)によって雰囲気や授業の進め方に違いがあるということ。

授業の進行が明らかに速くてついていけなかったり、クラスの雰囲気が悪いと受講が苦痛になってしまうので、申し込みの前にできるだけ施設見学をした方が良い。

他にも、ネットの情報や口コミが参考になることもある。

 

 

ハローワークで受講申し込み

どの訓練校に通うか決まったら、ハローワークの職業訓練窓口に申込書を提出する。

このときに志望動機や職務経歴を書いて施設に提出し、面接の際にその内容について質問されるので、なるべく印象の良い書き方をするのがポイント。

申し込みをしたら、訓練受講を希望している施設に電話して、面接の予約をとる。

 

 

訓練校で面接を受ける

訓練施設に連絡を取って、指定された日時に面接を受ける。

施設見学やオリエンテーションは私服でも良いが、面接はスーツで受けるのが無難。

面接では、2人の面接官の質問に15分くらいの時間で答えるのが一般的。

 

 

合否結果の通知が届く

合否は郵送で伝えられるので、もし合格していたらハローワークで手続きする。

不合格の場合でも、また次の募集まで待って、再度訓練に申し込むことができる。

 

 

ハローワークで給付金の支給申請する

合否の通知を持ってハローワークに来所し、給付金を受給したい場合は事前審査の申請をする。

このときに世帯の収入、資産などに関する資料(銀行通帳や身分証明書など)を提出する。

なお、手続きをするのが遅れると、給付金の支給も遅れる可能性があるので、なるべく早めに済ませた方が良い。

 

 

訓練開始

初日はオリエンテーションで、訓練校に必要書類を提出する。

訓練日数はあらかじめ決められていて、約4週間に一回ハローワークに来所して給付金の手続きをする。

この4週間が一つの支給単位になるので、この期間内にどんな理由があっても8割以上出席しないと、給付金10万円は支給されなくなってしまう。

ただし、次の支給単位期間に8割以上出席すれば、その期間の分の10万円は支給される。

 

 

指定来所日にハローワークに来所する

4週間に一回の指定来所日に来所し、出席日数、収入の有無を報告する。

もしやむを得ない理由で病欠したり、就活面接で訓練を欠席した場合は、証明書を提出しなければならない。

あとは要件を満たしていれば、来所から1週間後くらいに10万円が振り込まれる。

 

 

求職者支援訓練の倍率と面接に受かるコツ

訓練校の倍率は最近かなり高くなっていると聞くが、過去に公共職業訓練と求職者支援訓練を合わせて4回申し込んで、落ちたことは一度もなかった。

おそらく審査基準が設けられていて、その基準を満たせば受かりやすいのではないかと思う。

 

以下はこれまでの訓練で質問された内容。

 

  • 自己紹介(自己PR)
  • 志望動機
  • 職務経歴
  • これまでの職場の退職理由
  • いつ頃就職活動を始めて、いつまでに就職したいか
  • 受講するコースに関するスキル、学習歴、職務経歴
  • どのような就職先を希望しているか
  • 訓練でどのようなことを身につけたいか
  • 持っている資格について
  • 給付金の支給申請をするか否か

 

このうち、太字で記載した項目は、よく聞かれる & 個人的に思う重要度の高い質問。

 

この制度の予備知識として、求職者支援訓練は国から委託された株式会社やスクールが実施している。

訓練校は国から助成金をもらえる一方、受講生が訓練終了から3ヵ月以内に就職できないと、評価がマイナスになる可能性がある。

そのため面接では、訓練でスキルを身につける意欲の高さや、早く就職したいという気持ちを伝えるのがポイント。

また、訓練生が途中で退校してしまうのもデメリットにつながるので、健康状態が良好で、金銭的な理由で辞める心配もないというふうに答えた方が良いだろう。

職業訓練に通っている人で、その訓練に関連する職業に就職する人の割合は少ないが、面接で聞かれたときにはwebデザインコースならweb制作会社に勤めたいとか、プログラミングコースならアプリの開発がしたいとか、関連職種への就職を目指していると言っておくのが無難だと思う。

 

 

求職者支援訓練に関するよくある質問

最後に、求職者支援制度に関するQ&Aをまとめてみた。

 

Q1
訓練を欠席、遅刻、早退するときはどうすればよいか?

A1
給付金を受給する場合には、病院の領収書や面接先で証明書を書いてもらい、ハローワークの指定来所日に提出する。2日や3日連続して病欠する場合は、1回分の証明書だけで済む場合もあるが、ハローワークに要確認。

 

Q2
ハローワークの指定来所日に行けないときはどうしたらよいか?

A2
やむを得ない理由で行けない場合は、ハローワークに連絡して来所日を変更してもらえる。変更した来所日に必要書類を提出する。

 

Q3
就職以外の理由で訓練を途中退校する場合は?

A3
訓練施設とハローワークに連絡し、訓練校には「退校届」、ハローワークへは最後の給付金の支給申請の手続きなどをおこなう。連絡しないまま、無断で訓練やハローワークの指定来所日に行かないでいると、それまで支給されていた給付金もすべて返還するよう命じられる可能性がある。

 

Q4
訓練の途中で収入が減った場合、給付金を受給できる?

A4
給付金の支給要件を満たせば、受給できる場合がある。ハローワークに要相談。

 

Q5
訓練の途中で失業給付の支給が終了する場合は、給付金を受給できる?

A5
雇用保険の受給資格がある人は、職業訓練受講給付金を受給できないが、雇用保険の受給資格がなくなったあとで受講給付金を受給できる可能性はある。

 

Q6
訓練校に対する苦情や相談は、どこにすればよいか?

A6
まずは管轄のハローワークに相談するか、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が窓口になっている。不適格な訓練を実施している施設がある場合、証拠を用意してメールや電話で連絡する。

 

Q7
訓練を退校した場合、すぐに別の訓練を受講することはできる?

A7
訓練が修了または途中退校した場合、1年以上経過しないと再度申し込むことはできない。給付金は5年経過するまで、再度受給することはできない。

コメントをどうぞ