通信制大学の卒業は難しい?社会人学生が心理学部で一年間勉強した記録

黒のパソコンを操作する人

 

先日、ついに通信制大学の卒業に必要な単位をすべて修得することができた。

卒業は2021年の3月だからまだ1年2ヵ月くらい残っているので、引き続き興味のある単位を履修しようと思うが、とりあえず単位は取ったので卒業は確定した。

ちまたでは「通信制大学は全日制より簡単だ」という声と、「通信制大学は卒業が難しい」という意見の二通りがあるようだが、実感としては、休日や平日の空いている時間を使って勉強すれば、十分に卒業はできる。

もちろん、人によって生活スタイルの違いがあるし、4年次編入で一年間で卒業する場合は、かなりタイトなスケジュールになることが予想される。

また、慶応大学の通信のように、難易度が高いことで有名な大学もあるので一概には言えないが、一部の大学を除くとそこまで大きな違いはないだろう。

 

ここでは、実際に学習した通信制大学・心理学部の内容について、科目別に詳細に解説していく。

 

通信制大学での単位修得状況

大学での単位履修状況

上図は武蔵野大学通信教育部の単位修得状況。

すべての学科に共通した科目と、学科ごとの科目の単位があり、それぞれ必要な単位を修得すれば卒業要件を満たすことになる。

 

武蔵野大学の通信に3年次編入した場合、初年度は必修の科目が決められており、次年度以降は自分で選択した科目を履修することができる。

図中の赤枠内に示されているように、すでに卒業要件単位の124単位を超える139単位を修得しているので、あとは3月になれば自動的に卒業になる。

以降、これまでの学習の過程を時系列順に書いていく。

 

2018年10月(心理学概論)

テキスト
内定者懇談会に参加して、学習の進め方や学校のシステムについての説明を受けた。

心理学部は男子より女子の割合が多い傾向にあるようだが、通信はそれに加えて40代以降の社会人や主婦の割合が多かった。

大学には、通信の生徒用のウェブページがあって、そこから情報を受け取ったり試験を受けたり、レポートを提出する仕組みになっているが、実際そのページを使って学習ができるようになるのは10月中旬くらいからだった。

実質、この月はウェブのシステムを確認するだけで、ほとんど勉強はしなかったが、「心理学概論」の科目を修得した。

この科目は、心理学全体の概要をまとめた科目なので、初めて心理学を学ぶ人は、まずこの科目から始めるのが良いだろう。

 

2018年11月(心理学実験実習1、心理測定法)

テキスト

大学には「心理学実験実習」という科目があって、この科目は自分で実験協力者を集め、レポートを書いて提出する課題が計6回ほどある。

通信制では基本的に一人で学習するので、協力者も自力で探さなければならない上に、一回レポートを提出する度に返却に1ヵ月程度待たなければならず、合格するまで次のレポートを提出できない仕組みになっている。

しかも提出したレポートが不合格で返却されてきた場合、再提出して返却されるまでにしばらく時間がかかるので、すべてのレポートが合格して単位を修得するまでに半年以上かかってしまう。

なので、大学が始まった初めの段階から取り掛かることにした。

 

ただし、実験のレポートを書くには統計についての知識がないと、データを分析したり考察することができないので、「心理測定法」の科目を先に習得した。

心理学実験実習は未だに必要単位を習得できていないが、心理測定法はレポートが一度不合格で返却され、二度目の提出でようやく合格できた。

 

2018年12月(教育心理学、臨床心理学)

テキスト

ざっと見て一番わかりやすそうだった「教育心理学」と、特に興味のあった「臨床心理学」を修得した。

教育心理学のテキストはわかりやすく、臨床心理学のテキストも精神疾患の症状についての考察は興味深い内容だった。

この2つは、ウェブ上で数回の小テストと、それに続く単位認定試験で60点以上取れば単位が取れるので、時間はかからなかった。

 

武蔵野大学通信教育部の仕組みでは、小テスト(エクササイズ)では何度不合格になってもやり直すことができ、成績には反映されない。

一方、単位認定試験の成績でその科目の成績(S~B)が決まるので、認定試験の前にこれまで学習した内容を再度復習しておくのが大事。

 

2019年1月(仏教、社会心理学)

テキスト

年が明けて、初めての「仏教」のスクーリングがあった。

専攻は心理学だが、大学が仏教系なので仏教の科目が必修科目として含まれており、学校で直接教員の講義を聞くスクーリングか、録画された講義をパソコンで視聴するメディア授業のどちらかを受講することが単位修得の必須条件になっている。

講義は土日に2週間連続で朝から夕方まで行われ、最終日にはレポートを提出する。

それとは別に、テキストを読んで内容をレポートにまとめる課題が2回あり、2ヵ月くらいかけて提出し終えた。

大学指定のテキストはわかりやすい方だったが、仏教は専門用語や独特の言い回しが多く、しっかり身につけるにはたくさんの文献を読んで用語を覚える必要がある。

 

仏教の他には、「社会心理学」の科目を学習した。

こちらは難しい用語は少なく、身近な大学生の例などを挙げていてテキストも読みやすかった。

 

2019年2月(生理心理学、学習心理学、発達心理学)

テキスト

4月入学でも10月入学でも、武蔵野大の通信は2月中旬が単位認定テストを受けられる最終期限になっている。

2月に学年を更新し、単位を修得できなかった科目は、4月以降に次の学年になってから、新たに履修した科目と一緒に引き続き履修することになる。

4月中旬になるまでは試験が受けられないので、「生理心理学」「学習心理学」「発達心理学」の科目を一気に終わらせた。

この3つをはじめとして、心理学の科目はそれぞれの科目に共通点や重なる部分があるので、学習していけばいくほど、他の科目が理解しやすくなる。

学習心理学は「正の強化」「負の強化」「正の罰」「負の罰」などの説明がややこしく、生理心理学は脳の器官や機能の名称が覚えづらかった。

 

2019年5月(死生学、老年学)

テキスト

2月中旬~4月中旬くらいまでテキストが届かず、科目の履修もできなかったことや、年度始めで予定が重なっていたこともあり、5月からようやく学習を再開した。

4月以降からは心理学以外にも、興味のある他の学科の科目も履修することができるので、「死生学」と「老年学」を学習した。

死生学は、最近話題になっている安楽死や延命治療に関する話や、宗教から見た死生観などがテキストの題材になっている。

放送大学のテキストで、内容はとてもわかりやすかった。

老年学は制度や住宅環境にかかる話と、老年期の問題やポジティブな側面についてレポートにまとめた。

 

2019年6月~8月(犯罪心理学、認知心理学、心理学実験実習2、産業カウンセリング)

テキスト

犯罪心理学」と「認知心理学」はそれぞれレポート課題が4回くらい出題され、6月からはじめて9月か10月くらいまでかかった。

認知心理学は実験が含まれているので、協力者を募ってデータをまとめる必要があり、犯罪心理学も幅広い事柄の概要部分だけを一冊のテキストにまとめてあるので、他にも参考文献や厚生労働省・法務省などのサイトを参照しながらレポートを仕上げなければならず、とても時間がかかる。

どちらも、もっと深く理解するには学校指定のテキスト以外に、たくさん文献を読む必要があるので、興味がある人は掘り下げて調べるのも楽しいかもしれないが、時間に余裕がなく必要な単位だけを取りたい人には、他の科目を履修するという選択肢もある。

その代わり、2科目合わせて合計8回レポートを提出したことで、レポートを書くコツがつかめたし、書くスピ―ドも上がった。

 

7月~8月は全日制が夏休み期間に入るため、スクーリングが集中していた。

心理学実験実習には1と2があり、「心理学実験実習2」は複数人のグループでないと実験ができないのと、通信では自分たちでそれをするのが難しいため、スクーリングを利用して実験データを取った。

2週間で4つの実験を行い、パワーポイントで資料を作成して最終日には発表というタイトなスケジュールだったが、学生は学習意欲の高い社会人がそろっていたので、良い刺激になった。

 

もう一つのスクーリング科目では、「産業カウンセリング」があり、こちらはコンサルティングに興味がある人向けの内容だった。

主に講義を聞いたり、講義の内容についてグループでディスカッションしたりする。

 

2019年9月(臨床発達心理学、カウンセリング論)

テキスト

テスト科目の「臨床発達心理学」と、レポート・スクーリング科目の「カウンセリング論」を修得した。

どちらもその分野の概要が学べるようになっていて、テキストの内容も難しくはない。

どちらも、知識というよりは実践の中で学んでいくような分野だと思う。

 

2019年10月(学校臨床心理学、性格心理学)

テキスト

学校臨床心理学」はスクールカウンセラーに興味がある人向けの内容で、テキストも学校に関する事例がたくさん紹介されている。

レポート課題が3つあるが、学校臨床心理士の役割や関わり方や自分の感じていることを書くのがほとんどなので、書きやすい内容だった。

性格心理学」は専門用語がほとんどなく、わかりやすい内容なので初学者向き。

 

2019年11月~12月(児童・家庭福祉制度、環境心理学、人間論)

テキスト

年内に履修科目をできるだけ終わらせたくて、一気に3科目修得した。

児童・家庭福祉制度」は社会福祉学科向けの科目であるが、心理職に就職する人にとっても関連があるかもしれない。

特に児童相談所や児童福祉施設などに勤める心理職にとっては、必要な最新の情報がテキストに書かれている。

環境心理学」は自然とか建物のような自然物や人工物と人の心理についての内容が多くて、他の心理学科目とは色合いが違う。

人間論」は哲学や宗教を通して人とは何かについて考える科目で、心理学を学ぶ人にはこういった科目について考えるのも意味があるかもしれないが、学校指定のテキストは初学者には難しいので、他にも参考文献を読まないと理解できない。

この3科目を修得した時点で、卒業に必要な単位を超える単位を修得することができた。

 

まとめ

通信制大学は、毎日少しずつでもテキストを読んで、期限を意識しながら学習すれば、卒業はそこまで難しくないだろう。

時間に余裕のない人は、レポート提出やスクーリングの出席の必要のない、単位を取りやすい科目を履修すれば時間を節約できる。

時間に余裕のある人は、大学指定のテキストや参考書籍を繰り返し読み、レポートを丁寧に書くことで理解の度合いがかなり変わってくる。

基本的に、テキストと参考文献をよく読めばテストもレポート課題にも合格できるので、それぞれのライフスタイルに合わせて、効率よく学習を進めるのが大事だろう。