ウェクスラー成人知能検査(WAIS)を2回受けた結果

知能指数検査

 

発達障害の診断をするときには、医師の問診によりこれまでの生育歴やエピソード、または現在の学校や会社での状況が参考になる。

もう一つ判断材料に使われるのが「知能検査」だ。

児童が検査を受ける場合「児童向けウェクスラー式知能検査(WISC)」、成人の場合は「ウェクスラー成人知能検査(WAIS)」が有名で、どちらも改訂を重ねてより詳細な分析ができるようになった。

最新の成人知能検査「WAIS-IV」では、言語理解指標(VCI)、知覚推理指標(PRI)、ワーキングメモリー指標(WMI)、処理速度指標(PSI)の4つの指標から、IQの数値の高低やばらつきを見て、本人の得意・不得意の差を視覚的に見えるようにする。

 

言語理解(VCI)
聞かれた質問に言葉で説明する力

知覚推理(PRI)
目で見た情報から物事を推理・想像する力

ワーキングメモリー(WMI)
情報を短期的に記憶したり、記憶した情報を整理して考える力

処理速度(PSI)
単純作業をすばやく正確に行う力

 

 

自分が初めて検査を受けたときは「WISC-R」というもので、「動作性IQ」と「言語性IQ」の2つしかわからなかった。

それから5年くらいして受けたのがWAIS-IIIで、動作性・言語性に加えて言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度の4つの群指数が測定できた。

因みにWAIS-IVではIIIの課題項目がいくつか削除され、別の課題が加わっている。

 

WAIS-Rの結果

一言でいうと、数値は平均よりずっと低かった。

WAISの平均値が100で、標準偏差15なので、約3分の2程度の成人はこの範囲(85~115)に含まれるという。

自分のは70前後という、知的障害とのボーダーとかそれくらいの低さで、全体的に数値が低かったから得意・不得意のばらつきもなかった。

この当時は場面緘黙の後遺症でそれまでほとんど人と話す経験がなかったのと、抑うつがひどかった時期だったのも検査に影響したのかもしれない。

医師の話でも、この検査はそのときの精神状態に左右されるということだった。

 

WAIS-IIIの結果

WAIS-IIIを受けたときはWAIS-Rのときより全検査IQの数値が20くらい上がった。

それでも平均値の100以下だったけど、社会人になってから仕事でもプライベートでも人と関わる機会が増えて経験量が増えたのと、精神的にもそこそこ安定していたのが要因で上がったのかもしれない。

4つの群指数の間でもばらつきがあり、日頃から自分があまり問題にしない部分の数値は高く、不得意な分野は低くでたことから、検査の正確性は高いと思った。

因みにこの2回の検査ではどちらも、臨床心理士のスタッフに検査してもらい、数値や考察が書かれたデータを見せてもらうことができたが、病院や医師によっては結果が書かれた紙を見せてくれないところもあるらしい。

もし検査で出た数値や分析した結果が知りたいのであれば、検査する前にあらかじめ確認した方が良いだろう。

 

WAISの注意点

以上のことからもわかるように、WAISは検査を受けるときの心理状態やこれまでの経験に大きく左右される。

算数の問題や言語理解を問う問題では、基礎的な学力があるかどうかに左右されるだろうし、話すことに慣れているかどうかによっても変わってくると思う。

また、4つの群指数は互いに影響し合う部分があるので、どれか一つ低いと他の群指数も低くなる可能性はある。

例えば言語理解が低いと指示を聞いてから作業に取り掛かるまでに間が空いたり、間違った方法で作業をしてしまうこともあり得るので、処理速度に影響がでるかもしれない。

ワーキングメモリーが低く、聞かれた質問を頭に留めながら答えるが不得意だとすると、言語理解に影響がでる可能性がある。

因みに、この検査は一定期間内に繰り返し行うと、作業への慣れで数値が上がることがあるため、もし二回目を受ける場合は一定期間を置いてから受け直すのが良い。

個人的にはWAISを受けて新たな気づきや発見はなかったけれど、数値の信憑性はそれなりにあると思った。

障害者の就労支援機関を利用する際には、この検査結果を見せることで自分の特性を伝えるのに役立つかもしれない。

 

最後に注意点として、この検査結果と現実の社会適応能力や職業遂行能力は必ずしも一致しない

実生活では色々な能力を使ったり、検査では測れない環境による影響なども含まれてくるからだ。

知能検査の結果は、あくまでも参考程度に留めておくのが良いと思う。

 

参考サイト:日本文化科学社

Wikipedia-ウェクスラー成人知能検査