【臨床心理学】GHQ精神健康調査票をやってみた【質問紙法】

GHQ精神健康調査票

 

質問紙調査を行なったことはあるだろうか?

俗にいうアンケートのことで、心理学の場では「質問紙法」と呼ばれる調査方法で知られている。

臨床心理学では、抑うつをはかるための「自己評価式抑うつ性尺度(SDS)や対人不安度をはかる「対人不安尺度」、被害妄想度をはかる「パラノイア尺度」などがあり、質問項目にどの程度当てはまるか1~5のような何段階かで示された数字のどれかに〇を付け、その点数の合計で対象者の傾向を調査する。

うつ病や社交不安障害、統合失調症などを診断する材料として活用できると同時に、学校や職場などで一斉に調査することで、環境改善につなげる参考にもなる。

ネット上にも心理テストができるサイトはいくつもあるが、心理学の専門書で紹介されている心理評価テストとの大きな違いは、その信頼性や妥当性がWHOや精神医学会のような公的機関で確認されている点にある。

GHQ精神健康調査票もそのうちの一つだ。

今回は、心理学の授業でこのGHQを行う機会があったので、紹介する。

 

GHQ精神健康調査票とは?

GHQとは「General Health Questionnaire」の略で、12歳から成人までを対象とした精神健康状態を測定する尺度として研究や臨床現場で広く使用されている。

WHO世界保健機関版に準拠して作られている質問紙法による検査で、人種や宗教、文化などが違っても違和感なく回答できるような質問項目が示されている。

オリジナル版は60項目であるが、短縮版として日本語訳されたGHQ-12、GHQ-28、GHQ-30などがある。

それぞれの特徴は以下のとおり。

GHQ-12・・・時間をかけずにできる簡易版で、信頼性と妥当性もある。

GHQ-28・・・4つの因子(身体症状、不安と不眠、社会的活動障害、うつ傾向)について7項目ずつ質問が用意されており、それぞれの傾向をはかることができる。

GHQ-30・・・6因子(一般的疾患傾向、身体的症状、睡眠障害、社会的活動障害、不安と気分変調、希死念慮とうつ傾向)について、各5項目の質問で構成されている。

 

だいたい5分~10分もあれば回答できる。

日本文化科学社から邦訳版が発売されているが、GHQ-12は100名分、28も30は50名分で1万2,960円。一人分に換算して約260円といったところ。

 

GHQ-28 精神健康調査票をやってみた

調査法の回答方法は、回答する日までの2~3週間の身体的・精神的な健康状態で、質問項目に「非常に当てはまる」「当てはまる」「あまり当てはまらない」「まったく当てはまらない」のような4項目のいずれかに〇を付けるというもの。

今回使用したのはGHQ-28なので28項目に回答して、5点以下であれば健康、6点以上であれば心身に何らかの問題が疑われる。

また、身体的症状・不安と不眠・社会的活動・うつ傾向のそれぞれの要素においても、軽度/中軽度の症状の有無を判断できる。

実際やってみた結果は、区分点の5点を超えて心身に健康上の問題の可能性あり、各要素では社会的活動の得点が特に高かった。

まぁ、抑うつや性格診断系のテストをやって良い結果がでた試しがないので、ある程度は納得のいく結果だった。

 

質問紙調査の問題点

質問紙法は、大勢の人のデータを比較的手軽に集められるという点でメリットがある一方、デメリットもいくつかある。

今回の調査票でいえば、ここ数週間の心身の状態で回答したので、その期間の出来事に回答が左右されやすいともいえる。

例えば、友人や恋人関係でうまくいかなかったとか、仕事上のミスで落ち込んだとか、ショッキングな出来事が起こったとか、たまたま不運が重なったりすると一時的にネガティブな気分になり、回答にも影響しやすい。

回答する数日前までは絶好調だったのに、前日に嫌なことがあったりした場合はどうなのだろう?

また、アンケートにありがちなことだけれど、どっちに〇をつけたらいいか判断に迷うような質問や、人によって質問に対する解釈が違う場合もあり、その信憑性については100%ではないと思う。

例えば、同じ調査票を使って同じ人に後日もう一度回答を求めたとしたら、前回とまったく同じ結果にはならないのではないだろうか。

 

まとめ

質問紙法には問題点もあるけれど、GHQの質問項目に関しては比較的回答しやすい印象だった。

著作権があるので画像を載せることは差し控えるが、厚生労働省のページに「疫学研究用うつ病尺度(CES-D)」や「一般健康調査票(GHQ-12)」が紹介されているので、気になる人はチェックしてみても良いだろう。

 

参考:厚生労働省 「第2回職場におけるメンタルヘルス対策検討会」うつ病等のスクリーニングのための調査法(川上憲人 東京大学医学系研究科精神保健学分野教授)
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/06/dl/s0607-6m.pdf