臨床心理士・公認心理師指定大学院入試対策とおすすめ参考書【心理英語編】

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この記事では、【心理学・臨床心理学編】臨床心理士・公認心理師指定大学院入試対策とおすすめ参考書に続いて、臨床心理系大学院入試の心理英語について、昨年度の受験勉強の体験を振り返りつつ、おすすめの参考書のレビューをしていく。

これまで大学院入試で落ちた人の話を聞く限り、英語の問題で点数を落とした人の割合が多く、実際受けてみた実感としても難易度は高めだった。

また、他の科目に比べて英語は修得に時間がかかる分野なので、計画的な学習が必要になってくる。

 

臨床心理士・公認心理師指定大学院入試の英語試験問題とレベル

心理英語の試験問題は、ほぼ以下の4つのどれかの形式で出題される

 

全文和訳型

長文をすべて日本語に訳す形式。

東京大学、聖徳大学、筑波大学などで出題されてきた。

上の画像は東京大学のもの(著作権保護のためぼかしを入れた)。

文章が長い上に、たいていどの大学でも2~3問出題されるので、長文読解力がないと時間をオーバーしてしまう。

一部の大学の場合、日本語で読んでも理解しづらいような学術的な文章や複雑な構文が含まれていることもあるので、英語力に加えて、日頃から本を読んで文章読解力を鍛えておくのが大事。

 

 

文章要約型

長文を読んで、指定の文字数内で要約するタイプの問題。

武蔵野大学、明治大学などで出題されている。

このタイプの問題の場合、全訳と違ってわからない単語や訳しづらい部分があっても、自分なりの言葉でまとめられれば点数が取れるというメリットがある。

その代わり、文章の要点を抑えつつ、指定された文字数の範囲に収めなければならない。

 

 

設問回答型

文法の穴埋めや、長文内の指定された箇所について答えるタイプの問題。

明治大学、文教大学、淑徳大学、目白大学などで出題されている。

長文を完全に訳せなくても正答することができる点や、全文読まなくても答えられる問題が含まれている点などから、このタイプの問題は一番回答しやすいのではないかと思う。

また、この設問回答型と、上記の文章要約型を組み合わせて出題している学校も多い。

 

 

和文英訳型(例外)

和文を英語に訳して書くタイプの問題。

英単語とスペル、文法の知識が必要なので難易度が高い。

ただし、和文英訳はこれまで、筑波大学の大学院入試くらいしか出題されたのを見たことがないので、この形式が出題されることは滅多にない。

筑波大学では、例年3問中2問が英文和訳、1問が和文英訳で出題されている。

 

 

レベル感としては、どのタイプの問題でも、中学・高校で習う文法と単語の知識は必須で、TOEICに換算すると600点、英検で2級以上の英語力は最低でもあった方が良い。

学校によってはTOEIC750点、英検準1級くらいの英語力が必要かもしれない。

 

 

大学院入試・心理英語の勉強方法

過去問を見るとわかるが、心理英語の試験問題は心理系の論文を引用、抜粋して出題されることが多い。

そのため、心理学の専門用語を英語で覚えることと、英語論文をたくさん読むことが勉強の中心になってくる。

もし心理学以外の一般的な単語や文法が身についていない場合、中学・高校英語の学習から始めて、そのあとで心理英語に取り掛かる。

 

心理学の専門用語とは、例えば以下のようなもの。

  • identification → 同一視、同一化
  • collective unconscious → 集合的無意識
  • bipolar disorder → 双極性障害
  • defense mechanism → 防衛機制

 

また、以下のように英語論文や心理英語に特有の言い回しがある。

  • conditioning → 条件づけ
  • discrimination → 弁別
  • error → 誤差
  • intake → 受理面接

 

英文和訳問題では、正しく訳すのが基本なので、例えば「discrimination(弁別)」という用語を、一般的に使われる「差別・区別」というふうに訳してしまうと減点の対象になるかもしれない。

また、直訳しすぎて日本語で意味が取れないようなわかりづらい文章になるのも避けたい。

例えば翻訳者が和訳する文章は、直訳ではなく日本語で読みやすいように多少意訳が入った訳し方をしている。

心理英語の試験でも、読めない文章を書くよりは、元の英語からズレない範囲でわかりやすい和文に訳した方が良いだろう。

訳す練習をするときには、必ずノートに書きこみ、模範解答があれば自分が訳した文と見比べて、適切な訳し方を覚える。

 

 

心理英語のおすすめ参考書

入試までの期間、英語論文や過去問を解く以外に、テキストを使うことで効率的に語彙を増やしたり、模範解答から和訳の仕方を学ぶことができる。

特に独学で受験勉強をする場合、論文や過去問では自分の訳した文章が正しいかどうか確認することができないので、和訳解答が付いているテキストが役立つ。

以下はおすすめの参考書。

 

心理院単 臨床心理士指定大学院入試のための必須英単語1500 /ナツメ社/山崎有紀子


心理系大学院受験対策予備校で知らている、プロロゴスの講師が執筆しているテキスト。

入試のための必須1500単語が覚えられる他、例文も心理学に関する文章なので、同時に心理学の知識の復習にもなる。

心理系大学院受験では定番になっているテキストなので、試験会場でもこのテキストを持参している人が何人かいた。

本のサイズも小さめなので、カバンに入れて持ち歩いたり、通勤や通学の電車内でも読みやすい。

心理系の専門用語を覚えたい人に一番のおすすめテキスト。

 

 

公認心理師・臨床心理士大学院対策鉄則10&キーワード100心理英語編 /講談社/河合塾KALS

 

心理系大学院入試予備校の河合塾元講師が執筆しているテキスト。

心理学の100のキーワードについて、英語長文を訳しながら重要単語も覚えられる。

左ページに英語長文、右ページに解答の和訳文が書かれているので見やすい。

序盤には勉強方法や、英語論文でよく使われる用語、文章を読み解くテクニックなどが解説されており、同シリーズの「公認心理師・臨床心理士大学院対策鉄則10&キーワード100心理学編 /講談社/河合塾KALS 」に対応しているため、心理学用語の学習にもなる。

 

 

 ヒルガ-ドの心理学 第16版/金剛出版/ア-ネスト・R.ヒルガ-ド

心理学の学習書として有名な一冊。

日本で出版されている他の心理英語のテキストも、この本を引用・抜粋しているものが少なくない。

こちらは邦訳版だが、原著の英語版と併せて購入すれば、英語の学習と和訳の答え合わせに使用できる。

 

 

まとめ

英語の単語暗記と読解スピードの向上には、一定の時間がかかる。

また、試験問題の長文は、心理に関するトピックであることが多いため、心理学の基礎知識も必要になってくる。

その他、各大学ごとに出題形式や頻出する分野の傾向が異なるため、まずは志望校の過去問に目を通すことをお勧めしたい。

そして、覚えた英単語や専門用語は時間が空くとすぐに忘れてしまうので、毎日継続して学習することが大事だと思う。